アラフォーゲイの子育て奮闘記

代理母出産で子供を授かったゲイ男子の育児日記

代理母契約の内容(後編)

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前回からの続きで、代理母契約の中身を紹介します。

サロガシーには人命がかかっています。だからこそ契約違反(Breach of the Agreement)事項に、IPとGCがやってはいけないことが記載されています。どちらかと言うとGCの方が細かく規定されていて、例えば医者の診察をすっぽかすだとか、勝手に他州に引っ越すことは契約違反となり、補償金の返金などの対象になります。IPにも契約違反事項はあって、例えば生まれた子を引き取らないなどがそれにあたります。(2014年にオーストラリア人カップルが代理母出産で生まれたダウン症男児の引き取りを拒否する事例があったので、現在では契約違反事項の中に明記されています。)

責任制限(Limitation of Liability)も英文契約書では一般的で、契約当事者が契約違反等により相手方に損害賠償をしなければならないような場合に,その賠償額など,責任を一定限度に限定する条項です。

死亡・高度障害(Death and Disability)に関わる項目もあって、例えばIPが子の出産前に死亡してしまった場合の法定後見人が指名されています。逆にGCに何かあった場合、誰が延命措置に関する意思決定をするのかも規定されています。これらはいずれも発生確率としては極めて低いですが、万が一起こった場合にトラブルにならないよう、そして子供の福祉が損なわれないよう、定められている条項なのです。

厳密に言うと、別紙(Attachment)などに更に細かい内容が規定されている場合もありますが、契約書の構成は大体こんな感じです。契約書の量と内容に関しては大したことありませんが、英文契約書を読み慣れていない自分に取ってはなかなか骨の折れる作業でした。

何度か修正が入ることもあるので、その度読み返すことになり、拒否反応が出てくることもありましたが、代理母と生まれてくる子供のためには避けて通れない道です。みっつんが彼の著書「ふたりパパ」でも書いていましたが、IPは自分たちで子供を産めない分代わりに、こうしたプロセスを経ながら、出産の責任の重大さを感じることができるので、サロガシーにおいては必要不可欠なのかもしれません。