妊活ブログを読んでいると「9週の壁」という言葉がよく出てきますが、医学的な根拠がある訳ではなく、9週目に流産リスクが上がる訳ではありません。実際、週数別の流産リスクデータを見ると、週数が増えるにつれて確率が下がっていくのが分かります。
妊活していない限りは、4週あたりで妊娠検査薬を使ったり産科クリニックで診察を受けることは稀でしょうから、妊娠に気付かないうちに化学流産してしまっている人も多いというのが実態ではないでしょうか。妊娠6〜7週で初めて妊娠が分かり、その次の9週検診で心拍停止していると、あたかも9週で突然赤ちゃんが亡くなってしまったように見えますが、実は染色体異常で元々自然淘汰される予定の命だった可能性が高いのです。
となると心拍確認できた後の本当の壁はいつなのかということですが、自分は母体と営養や老廃物の受渡しができる胎盤の形成ではないかと思っています。週数で言うと14〜16週で、安定期(妊娠中期)の始まりですから、やはりここが大きなマイルストンになるのではないでしょうか。
10年以上前のアメリカの学会誌の載っていた統計ですが、卵子ドナーから提供された卵子を使って凍結融解胚移植をした場合、8→10→12→16週における流産リスクは8.8→4.1→2.6→1.6%となっていて、8週ではまだ1割近くあった流産リスクが、妊娠中期に入る頃には2%前後まで落ちていることが分かります。
出典:https://academic.oup.com/aje/article/165/12/1380/125564
9週では5%前後ですから、ここを超えると一安心できるというのもあながち間違いではないのかもしれませんが、それでも20人に1人の確率で流産する訳ですから、自分みたいに慎重な性格の人にとってはまだ不安が残るでしょう。
結論としては、9週前後でリスクが急に上がる訳でもないし、9週を超えたからといって安心できる訳でもないということです。