アラフォーゲイの子育て奮闘記

代理母出産で子供を授かったゲイ男子の育児日記

10年後に明かされた姉の癌の真相②

医師から見せられたMRIスキャンには癌の黒い影が広範囲で脳を覆っていて、医師も最初は動揺していたそうです。

 

でもステージ4の甲状腺癌を告知された姉が医師に真っ先に聞いたのは「(ナースプラクティショナーになるための)看護学校を続けられるか?」という質問でした。姉は現実逃避でそう聞いたのか、それとも状況の深刻さを理解していなかったのかは分かりませんが、医師が半ば呆れて治療が最優先であることを姉に伝えほどでした。

 

自分がもうひとつ疑問に思っていたことは、姉の癌がいつ発症していたかです。癌がいきなりステージ4に達するはずはないですからね。実は姉はアメリカ留学する前(癌を宣告される9年ほど前)に、甲状腺疾患で東京の某有名甲状腺専門病院にて治療を受けていました。それが癌だったのかどうかは分かりませんが、甲状腺の一部を摘出しました。

 

アメリカでは全摘出することが多いようですが、日本では可能な限り温存治療をするらしく、姉の場合もそうした判断がされたのでしょう。本来はその後定期検診を続けるわけですが、手術から数年後に姉はアメリカへ留学してしまったので、十分な定期検診ができておらず、気付かないところで癌が再発してしまったのではないかというのがアメリカの医師の意見でした。

 

果たして日本の医師が姉にどれほど強く定期検診を勧めていたのかは分かりません。もし定期検診をきちんと受けていたら、再発が早期発見できて、姉の命は助かっていたかもしれません。もし姉が自ら選んで検診を受けていなかったとしたら何故なのか。そのヒントとなる話がSさんの長男から出てきました。​​​​<続く>