アラフォーゲイの子育て奮闘記

代理母出産で子供を授かったゲイ男子の育児日記

代理出産から1年が経ったシンパパ

1年前、自分は代理出産を通じて父親になりました。通常であれば胚移植や妊娠中に何度か代理母と会う機会のある代理出産ですが、コロナ禍で1度も会うことができず、自分が父親になるという心の準備がしづらい状況でした。ある日突然子供を渡されてちゃんと父性が芽生えるのか、子供と対面する前はとても心配だったのを覚えています。

 

↑息子との初対面

 

息子を初めて抱いた瞬間を母がビデオに収めてくれていたのですが、自分の反応は大声で喜ぶわけでも、感動のあまり泣くわけでもなく、ただただ静かに子供を見つめていました。その時の心情は、「何があってもこの子を守り抜かなければいけない」という責任感だけでした。

 

翌日から始まったシングルファザーとしての生活。仕事が疎かになってしまって同僚に迷惑をかけたり、腰を痛めて鍼灸院に通ったり、忙しくて寝癖のまま息子を保育園に送ったりと、ブログやYouTubeで見かけるキラキラしたパパやママとは程遠い日常でした。

 

同時に、ワンオペで育児をしているママやパパ、介護をしている人、働きながらこれらをこなしている人の大変さを初めて身を以て理解することができ、自分の視野がこれまで狭かったことを思い知らされました。

 

母や妹、今年5月に亡くなった姉、友人やLGBTサポートグループの力を借りながら、自分が父親であることを意識する暇もなく無我夢中で走っていたら、いつの間にか息子が1歳の誕生日を迎えていました。生まれたばかりの頃はほとんど動かず、1度に10mlしかミルクを飲まなかった息子が、今や部屋の中を(1度に20歩程度ですが)走り回り、自分とほぼ変わらない食事を食べるようにまで成長したのを見て、ようやく自分が父親になったんだという実感を持ちました。

 

↑カメラを向けられるといつも笑顔をふりまく息子君

 

この1年で沢山の変化がありました。在宅勤務から週3日出社になり、姉が亡くなり、白髪やシミが増え、部屋が以前にも増して散らかるようになりました。でも唯一変わっていないものは息子への責任感です。この子を立派に成人させるまで、あと17回の誕生日を笑顔で過ごせるよう、これからも1日1日の子育てを頑張っていこうと思います。