アラフォーゲイの子育て奮闘記

代理母出産で子供を授かったゲイ男子の育児日記

新しい希望に忍び寄る影②

姉の余命宣告についてはこちらをご覧ください。

姉が正社員として仕事を始めるのと同時期に、自分もアメリカでの代理出産に挑戦していました。そして昨年夏に念願の子供をさずかり、コロナ禍で大変な思いをしながらアメリカから帰国しました。その日のことはよく覚えていて、成田空港で5時間以上入国手続きにかかったので、帰宅した時は疲労困憊だったんです。でも、姉が私のマンションの入り口で待ってくていれていて、それから1ヶ月、うちに住み込みで子育てを手伝ってくれました。

 

姉は完全在宅勤務だったので、うちで仕事をしながら、授乳したり、おむつを替えたりしてくてました。自分にとっては初めての子育てということもあり神経質になっていて、せっかく姉が子育てを手伝ってくれていたのに、段々と彼女のやり方に不満を持つようになってしまいました。しまいには、「もうひとりで面倒見れるから帰っていいよ」と姉が一時帰国した時と同じように追い出してしまったのです。姉は息子のことが大好きだったので、残念そうな表情を浮かべていました。

 

自分が姉のやり方に不満を持ったことのひとつに、姉が夜中の授乳を何度か忘れてしまったことがあったからなんです。「責任感のない人に自分の息子を任せられない」と自分が勝手に腹を立ててしまったんですね。でもよく考えると、この時から姉の癌が脳に転移し始めていて、体調不良や疲労感から夜中に起きられなかったのかもしれません。

 

まさかそれから1年も経たないうちに姉と今生の別れを迎えることになるだろうとは微塵も考えていませんでした。あの時に戻れるなら、もっと姉に感謝して、もっと息子と触れ合わせてあげたかったです。自分が姉にしてしまったことに対して後悔ばかりが残っています。<続く>