アラフォーゲイの子育て奮闘記

代理母出産で子供を授かったゲイ男子の育児日記

後悔と不信感②

姉の余命宣告についてはこちらをご覧ください。

姉はとても几帳面でした。買い物のレシートは日付順に整理していましたし、闘病記録も検査結果や医師のコメントを含めて細かくメモしていました。当然ですが普段から部屋もきれいにしていたはずです。

 

ところが、姉が入院した翌日に妹が身の回り品を取りに姉の家に立ち寄ると、部屋が散らかっていて驚いたそうです(姉の名誉のために言っておきますが、それでも平均的な部屋に比べればきれいです)。プライベートの携帯や食べ物が結果に転がっていたり、トイレにつけてあったツッパリ収納が外れたままぶら下がっていたり、いつもだったらきちんと整理されている書類がバラバラに置かれていたそうです。​​​​​​​

 

癌に体を蝕まれ体力が低下していた姉には、もはや床に落ちたものを拾うことも、外れた棚を直すことも、紙を並べることもできなかったのです。それでも緊急搬送されるまでベッドの上から仕事の会議に参加したり、とりあえず手の届くところにあったティッシュペーパーの箱に体重を記録し続けたいたところに、姉の生真面目さが感じられました。

 

姉はリモート会議の時には必ずビデオをオンにしていたそうですが、この日だけはオフだったそうで、同僚も不思議に感じていたそうです。人に顔を見せられないくらい辛い状況だったのだろうと想像すると、胸が締め付けられる思いです。なんでもっと早く家族に助けを求めてくれなかったのか?姉が生きていたらそう問いたい気持ちでいっぱいです。

 

その日は姉は終日検査をしていて面会できなかったので、妹は手早くパジャマや洗面用具、タオルといった身の回り品をまとめると、母にその荷物を託しました。母が翌日にひとりで検査結果を聞くついでに病院へ荷物を届けることになっていたのですが、ここでも恩人のTちゃんの一言がきっかけで、自分も同伴することになったのです。そしてそのお陰で、家族全員で姉の最期を看取ることができたのです。<続く>